コミックワールドにおいては話数として2話(No.69、No.70)、カードダスも2種類のみの登場と、
決してメジャーなキャラクターとは言えない。
この飛駆塞虫をあえて立体化しようとしたサム氏のチョイス、そのデザインセンスには脱帽と言わざるを得ない。
サム氏より頂いた画像を元に作品を細かく見ていきたい。

まず作品の全景。造型には非の打ち所が無い。
完全なSD体型の飛駆塞虫である事から、
デザインの基礎となったのはカードダスのイラストであると思われる。
画像では確認し難いかもしれないが各種モールドもしっかりしており、
何よりデザイン情報の取捨選択が素晴らしく「ガン消し」としての意匠を完全に踏襲している。
天守閣にあたる頭頂部が脱着式になっており、外すと突起が露出する。
この突起はガン消しの底面にある凹とフィットする形状で、画像のように搭乗させる事が可能。
飛駆塞虫を作成するにあたって龍将、飛将の搭乗は必須と考えたのではないだろうか。
サイズの比較としてガン消しのビグザムとフルカラーDXが並べられている。
実際に手にとってみると分かるが、このボリュームが非常に気持ちがいい。
先の画像にあったように従来のガン消しと合わせてのプレイバリューまで考えての大きさなのだろうか。
ここにもサム氏のセンスが光る。
最後の画像は背面。
当時のガン消しでは通常の販売ラインに乗せるため、
または型抜きの都合上、 ディティールがオミットされる事があったが、
サム氏の作品は細部にまでこだわった造型になっている。
腹部周辺に設けられた砲身は一本一本丁寧に造型されてる。
好き勝手書かせて頂いたが、画像を見るだけで充分にその存在感は伝わるものと思う。
筆者自身はこの造型を実現するのに必要な技術・労力について批評する口も知識も持たないが、
ただ一つ言える事は、サイズ、素材(非キャスト)、造型、どの点においても
SDガンダムを、ガン消しを愛した人による素晴らしい一品だという事だ。
ガン消しはSDガンダムという広いフィールドの中で、幅広く立体化を実現した無二のシリーズ。
しかしその中にあっても立体化を見送られたキャラクターは数多ある。
埋もれてしまったそれらのキャラクターをこうして立体化したサム氏の心意気には、
万感の思いを持って拍手を送りたい。
そしてこれからも是非こういった作品を作り続けて頂きたいと願ってやまない。
それはきっと筆者のみの願いでは無いだろう。
text by 邪道 『館
〜邪道の軌跡〜』
-おわりに-
ポピーウルトラマン怪獣消しゴムシリーズにおいて未立体化であった怪獣が、
毛色の全く異なる後のバンダイ超闘士シリーズにおいて、ひっそりと立体化されています。
子供向けの商品にあってマニアをニンマリとさせるその心意気、遊び心には
リリースから十数年が経過した今でも敬愛の念を持ってやまないのです。
今回ご紹介したサム氏の作品には、
個人製作の粋を超越したハイセンス、ハイクオリティに心底脱帽なわけですが、
何よりもこの"ニンマリ感"に満ち満ち溢れている点にこそ
前述の邪道氏同様、重ねて敬意を表したい。
「サム、よくやった!」
こういった過剰なまでの愛情が国外の同志によって形成された事を大変に嬉しく思います。
負けずに本国でもひとつ、更なる"形"を切磋琢磨しようではないですか。
最後に規範にすべき博物学の権威であられる荒俣宏先生のお言葉をお借りして。
『コレクターよ、過剰であれ!』
text by hEll ErasEr
SPECIAL Thanxxx!!
JYADOU san / MAD san / YoshiKoroSuke & RORY